ツツジやハナミズキ、藤などの花々がユニバー記念競技場(神戸市)までの道を先導してくれました。4月23日、24日と兵庫リレーカーニバルが開催され私は取材に。競技場内には運営の兵庫陸上競技協会や神戸市役所の皆さんもいて賑やかでした。
2024年春に神戸世界パラ陸上競技選手権が開催されることもあり、市役所の方々は競技を見学に来ていたのです。国際都市神戸はインクルーシブ(包み込む)な優しい街。兵庫陸協、神戸市の方々と「皆でいい大会を作り上げていきましょうね!」と士気を高めることが出来ました。
そして競技では、田中希実さん(東京五輪1500m8位入賞)にびっくり。女子1500mで優勝(4分10秒60)した後、その25分後に1万mに出場し日本人トップの2位(32分39秒29)でゴールしたのです。それなのに希実さん、あまり嬉しそうではありません。「1500mは4分10秒切りを目標にしていました。1万mは来年の日本選手権の参加標準を切りたかった」と。でもコーチでお父さんの健智さんは「距離的な不安がなくなったのは次につながりますよ」と。次の大会の織田記念女子5千mを見据えていました。
希実さん、この1週間前には400mの記録会に出場。59秒台でゴール。「5千、1万のレースでアフリカ勢は最後の1周を59秒で走りますからね」と健智さん。すべてのレースが世界の舞台に繋がっているのです。
ところで希実さんのタフさはどちらから?と聞くと「スタミナは妻、戦略は私かな」と勝智さん。母千尋さんは過去に北海道マラソン2度の優勝者。健智さんは実業団で3千m障害の選手でした。2人のいい所を受け継いだ希実さん。今後が楽しみです。
(共同通信/2022年4月25日配信)