メジャーリーグで大谷翔平さんが大活躍。ダジャレ好きの大学陸上部のある監督さんは、選手達の前で大谷さんをネタにこんな話しを披露しました。「大谷さん、二刀流で昨年はMVPも獲得したよね。でも栃木県の人はバッターだけが活躍しているよ。何故かって?打つのみや、(宇都宮)なんてね」と。若い選手達はポカンとした顔で聞いていました。
さて、その二刀流という言葉が北京パラリンピックでも話題に。というのも、金メダル3つ、銀メダル1つ獲得した冬の女王の村岡桃佳さん。実は夏の東京パラリンピックにも出場した二刀流の選手だからです。桃佳さんは「陸上競技に取り組んだお陰で体幹が鍛えられました」と話します。
彼女は東京パラリンピックに陸上競技で挑戦するため、岡山の松永仁志さんを訪ねました。彼は車いす陸上の選手を続けながら、チームを率いて若手を育成しています。松永さんは「平昌パラリンピックで5つのメダルを取った村岡さんだからすごく基礎体力があると思っていましたが、違いました」と当時を振り返ります。
重力で進むアルペンスキーは、道具(チェアスキー)を操るのが上手な人は筋力が不足していてもある程度出来てしまうそう。桃佳さんが筋力をアップし体幹を鍛えたらどんなに凄い選手になるだろう?と松永さんはワクワクしたそうです。
2年間鍛錬の日々を重ね、東京パラリンピック100mでは6位入賞を果たしました。そして陸上で培った体幹が、結果的にスキーのターンの安定性やキレのよさにつながり、北京での素晴らしい結果につながったのです。
きっとこれから、桃佳さんのような夏冬二刀流の選手が増えて、相乗効果をもたらすことでしょう。
(共同通信/2022年3月18日配信)