ガンバレ、ファイトと書かれた横断幕の前で、車いすの選手が満面の笑み。第34回千葉県特別支援学校高等部駅伝大会のプログラムの表紙の絵です。12月3日、千葉県総合スポーツセンターで開催された大会は、その絵のように明るい雰囲気でした。感染予防を徹底した中で、フル駅伝、ハーフ駅伝、クォーター駅伝の部に分かれ、フルは1人2.8㎞(1区のみ1.4㎞)、ハーフは1.4㎞を10区間走ったのです。総勢約600人。 高等部3年生にとっては学校生活最初で最後の駅伝。「コロナ禍で2年連続中止だったので、3年ぶりの開催なんですよ」と、千葉県特別支援学校体育連盟会長の杉村哲さん。皆、大会への渇望感もあり、この日に向けて一生懸命練習を積んできたようです。フル駅伝の部では前半、湖北特別支援学校がトップを走り初優勝なるかという勢いでしたが、後半流山特別支援が逆転し優勝。市川大野、湖北と続きました。「来年までにもっとスタミナつけるよ」と湖北のアンカーの選手は大きな声で話しました。 優勝した流山は、東京パラリンピック陸上の1500m(知的障がいクラス)で8位入賞を果たした岩田悠希さんの母校です岩田さんは最初から積極的な走りでレースを引っ張り、観ている人に勇気を与えました。陸上部の小澤駿一先生は「岩田くんに続こうと、皆でがんばってきました」と笑顔。 私はタスキ渡しの中継所でマイクを持ち、皆の様子を場内放送しました。タスキを渡し易いように横に伸ばす人、「はい」と言って肩を叩いて渡す人、それぞれが一生懸命で可愛らしかったです。青空を眺めながら、駅伝は励まし合い、助け合う、スポーツのステキな舞台だと改めて感じました。
(共同通信/2021年12月6日配信)