冷えたスイカをがぶりと戴きたくなる暑さの7月11日、兵庫陸上競技選手権へ。三重国体や近畿選手権を目指す選手達の中へ、自然な形で東京パラリンピック出場選手達を加えて頂きました。女子走り幅跳びの中西麻耶さんと高桑早生さんが順調な仕上がりで嬉しかったです。
2人がコメントした後、記者に囲まれたのは高桑さんのコーチの高野大樹さん。今、最も注目されているコーチです。高野さんは2020東京五輪100m出場の山縣亮太さんや100mハードルの寺田明日香さんも指導。ご自分も110mハードルの選手で埼玉大学大学院時代から競技力向上について研究をしています。
高桑さんを指導するうちに同じ慶應大学出身の山縣さんに「自分もお願いしたい」と声をかけられたそうです。その後、山縣さんは9秒95の日本記録を樹立。東京五輪の代表もつかみました。それでも「僕は何もしていませんよ。寺田さんや高桑さんと一緒に練習する中で山縣君が更に明るくなったのが良かった」と高野さん。
指導で大切にされていることは?という質問に、「よく選手と会話することと、型をもたないことですかね」と。一人一人骨格は違い、アキレス腱の長さも違う。パラの選手の障害が個々に違うので、その指導が五輪選手にも応用できると言います。また「山縣さんは一緒に練習する高桑さんの動きにヒントを得ると言っています」と。以前、マーラ・ヤマウチさん(北京五輪英国代表)が英国ではオリンピック、パラリンピックの選手が合同合宿を行うと話していました。「残された機能を最大限生かそうとするパラの選手の動きは、とても参考になる」と。これから日本代表の合宿も合同が増えればいいなと思います。
(共同通信/2021年7月12日配信)