7月1日、千葉県山武市で聖火の点火セレモニーが行われました。公道での聖火リレーが中止となり、ステージ上でのトーチキスというカタチになったのです。
山武は里山に囲まれた田園風景が広がるのどかな場所。集合場所となった山武市蓮沼交流センターで、本番を待つ間に参加者の皆さんとおしゃべりを楽しむことが出来ました。「今日はすごい。レジェンドがお二人もいます」とスタッフが言うので誰のことかしら?と思ったら1人は私で、もう1人は阿出川輝雄さん(78歳)でした。阿出川さん、1964年にアメリカへ留学し、サーフボードの作り方を学び日本に広めた方(今は、いすみ市在住)。1979年には世界大会の開催にも尽力されました。60歳の時に脳内出血を患い、右半身が少し不自由でしたが息子さんが付き添いを。「親父は日本より海外で名が知られていますよ」とユーモアたっぷりに話す姿が微笑ましかったです。阿出川さんは、半世紀を経てサーフィンが五輪の正式種目になったことを誰よりも喜んでいました。
セレモニーではそんな阿出川さんに私からトーチキスを。2人でポーズを考えていたのですが、阿出川さん忘れてしまいました。でもそれもご愛嬌だったのに、レジェントの貫禄あるお顔で「ごめんね」と。心がホカホカしました。
そして会場には石野真美さんの姿も。私と同じいすみ市立岬中学校出身で、2007年大阪世界陸上に女子100mハードルで出場。ご家族みんなが応援に来ていました。「コロナ禍で悲しい思いをされた方が多いでしょう。聖火をつないで明るい未来につながればいいと思います」と真美さん。
それぞれが思いをつなぐオリンピックがいよいよ始まります。
(共同通信/2021年7月5日配信)