浪花の女王は尾張でも強かった!3月14日、名古屋ウィメンズが開催され、松田瑞生さん(ダイハツ)が2時間21分51妙の好記録で優勝しました。日本記録を目指すほど調子が良かったのですが、風が強かったよう。ゴール後、お母さんの明美さんに「突風やった。大変だった」と電話で話したそうです。
鍼灸師の明美さんは前日ホテルに来て、瑞生さんの体の調整を。レース当日は自宅でテレビ観戦しながら静かに見守っていたのです。レースは、前半から強い向かい風の中、ペースメーカーの森田香織さんが予定通りの速いペースで刻むと「香織、香織!」と瑞生さんは後ろからスピードを抑えるように言ったそう。その森田さん、20㎞まで引っ張る予定を13㎞で終え、そこからはもう1人のぺ―スメーカー、スターツのモニカさんが30㎞まで引っ張りました。本当は瑞生さん、後半ペースを上げる予定でしたが前半無理した分、後半思うように上がらず。レース後の記者会見で、「風と友達になろうと思いましたが、風が強すぎてなれませんでした」と周りを笑わせたのです。
それにしても30㎞からの1人旅、時には風速10m以上の風の中をよくがんばりました。「粘って粘って、粘りきった感じです」と瑞生さん。それができたのも、宮崎での月間1400㎞の走り込みによる脚の強さでしょう。山中美和子監督は月間1000㎞のメニューを作りましたが、瑞生さんはジョギングなどを多くして400㎞も増やしたそう。脚だけでなく、腹筋や胸、腕についた細かい筋肉がその練習量を物語っています。お母さんの明美さんは、「瑞生、最強の補欠やで」」と話しました。彼女の力走は、日本代表選手に大きなエールを送ったと思います。
(共同通信/2021年3月15日配信)