立春を過ぎた2月5日、陸上自衛隊立川駐屯地へ。箱根駅伝の予選会のスタート地点にもなっている飛行場は、テレビで観るよりも広く感じられました。この日、3月7日に開催予定の「チャレンジ・東京パラ・42.195km イン 立川」(車いすマラソン)へのお礼と、調印式のために伺いました。
というのもコロナ禍で、東京パラリンピックの予選会となる世界大会の多くが中止に。今、日本代表に決まっている車いすマラソンの選手は、鈴木朋樹さんだけです。世界ランキングを上げて1人でも多くの選手が資格を取るために、日本パラ陸上競技連盟が東京陸上競技協会にお願いしたところ、立川市、自衛隊と連携して特別に大会を開こうということになりました。選手にチャンスを与えるため、皆が1つになった、心のこもった大会なのです。
立川の自衛隊駐屯地では、10月の箱根駅伝の予選会に加えて、3月には立川シティハーフマラソン(学生ハーフを含む)も行われています。でも今回、車いすだけのレースは初めて。「2月下旬に周回コースを測定して、世界陸連の公認をとりますよ」と東京陸協理事長の平塚和則さんは元気いっぱい。日本パラ陸連の「関さん(競技運営委員長)の熱意にほだされましたよ」と話します。また自衛隊立川駐屯地司令の木戸口和彦さんは「平坦なので車いすは走り易いと思いますよ。記録が出るよう祈っています」と笑顔。「立川がスポーツで元気になります。しっかりサポートしますよ」と立川市長の清水庄平さん。皆の善意が形となりました。
きっと選手達は、感謝の気持ちが力になると思います。帰り道、公園の梅の花も拍手を贈ってくれているように見えました。
(共同通信/2021年2月8日配信)