東京マラソンの3日前、東京ビッグサイトで、青山学院大学陸上競技部監督の原晋さんとのトークショーがありました。最近青学は、実業団選手に発破をかけるような活躍を見せています。
昨年12月の福岡国際マラソンで、OBの吉田祐也さんが優勝。2月の別府大分毎日マラソンでは、若林宏樹さん(4年生)が学生新記録の走りで日本人トップの2位に。その2週間後の大阪マラソンでも、黒田朝日さん(3年生)が学生新記録を更新。
「大活躍の勝因は何ですか?」と原さんに伺うと、「しっかりご飯を食べることと駅伝とマラソンの両立ですね」と話しました。選手の皆さん、寮での食事は毎日モリモリ、白いご飯は1日300g以上食べているそうです。また駅伝でスピードを養い、マラソン練習はスピード持久力を養う30㎞走が中心とのこと。
東京マラソンで初のマラソンにチャレンジする太田蒼生さんについては、「明るいキャラでお祭り男ですからね」と愛情いっぱいのお顔の原さん。「でも第1集団(1㎞2分53秒の)に着いたら12㎞までしかもたないです」と話しながらも、「太田選手は本番に強いから!優勝したら世界一周旅行をプレゼントしますよ~」と。
そして迎えた当日、気温が20度を超える暑さのなか、太田さんは積極的に先頭集団に付いていきました。ユニフォームの胸には、2月19日に悪性リンパ腫で逝去した、皆渡星七さんを偲ぶ喪章が。一緒に走ったのでしょう。太田さんは、後半失速し、28キロで第2集団に追いつかれ、36キロで途中棄権。
でも「世界のレースを知ることが出来ました。次はもっと長く世界と戦いたい」と話す太田さん。その凜とした姿に、私は心から拍手をおくりました。
(共同通信/2025年3月3日配信)