師走の初旬、大阪府茨木市の立命館大学で「第2回関西スポーツ振興シンポジウム」が開催されました。主催は関西経済連合会(関経連)です。冒頭、松本正義会長が「関経連は経済団体だけど社会のために物申す。特にスポーツは国の勢いを表す指針になっていますからね」とご挨拶。松本さんをリーダーに、関西は産官学の連携がとれているのです。
「関西が先駆ける、地域におけるスポーツ医科学支援と今後の展望」と題した今回のシンポジウム。バネリストに土性沙羅さんの姿があって嬉しくなりました。土性さんはリオデジャネイロ五輪レスリング69kg級金メダリスト。今年3月に現役を引退し、「自分の経験を地域の子どもたちに生かしたい」と故郷松阪市役所の職員になりました。教育委員会スポーツ課に所属し、学校への出前授業を行い、みえ松阪マラソンの担当にも。
この日、土性さんは「選手の時にNTC(ナショナルトレーニングセンター)で怪我や栄養面のアドバイスを受けられてありがたかった。でも関西から関東までは遠かったです。京都や和歌山にジュニアアスリートの拠点があるのは嬉しいですね」と、はつらつとした表情で話しました。そして健康スポーツについて「厚生労働省から10年ぶりに新しい指針が出された。スポーツ医科学の意義は大きいので市民の方々に楽しいスポーツを推奨したいです」と。世界で活躍した人が故郷をよくしようとする清々しさに、感動しました。
その後、松本さんたちとお食事を。2027関西ワールドマスターズに出場するという松本さん、「その時私は83歳や。今100mを14秒6やから3年後は16秒で走りたい!」と話すのを聞き、土性さんと拍手を贈りました。
(共同通信/2023年12月11日配信)