週間予報では雨の確率が高かった10月27日の水戸黄門漫遊マラソン。当日はお日さまが出て20℃を超える暑さでした。「お母ちゃん、晴らし過ぎだよ」と私は天国の母に言って笑いました。還暦という人生の節目に母は旅立ちましたが、私は10年ぶりにフルマラソンを完走して、益々元気に進んでいこうと思ったのです。
スタート前、「増田は暑さに弱いんだから無理しないでね」とゲストランナーの谷口浩美さんに言われ、私はオーバーペースにならないように1㎞7分~7分半のペースでゆっくりと進んでいきました。スポーツメーカーの友人が作ってくれた赤と白の還暦祝いのTシャツ(60の文字とオリーブ冠のオシャレなデザイン)の赤を私は着て走り、夫と弟家族は白を着て応援を。すると、「私も還暦ですよ~」という人たちが寄ってきて前半はずっとおしゃべりランニング。20㎞地点でシャイな甥っ子が「ハイヨ」と言って渡してくれたエネルギー補給ジェルを飲んだら、パワーが湧いてきました。すると、お日さまが雲に隠れて涼しくなったのです。「お母ちゃんありがとね」。
最高に嬉しいサプライズは、大迫傑さんのご両親の武さんと直江さんの応援でした。「ガンバ!明美chan」と書いた似顔絵付きの大きな厚紙ボードを持って、7カ所で応援してくれたのです。偕楽園、千波湖をこえた36㎞から私はハイ状態になり、38㎞で「明美さん、ファイト!」の直江さんの声に、傑さんのラストスパートを思い描いてスパート。前を走るランナーを何人も抜いて5時間12分51秒でゴールしました。空を見上げると、母がにっこりしたような形の雲が。還暦マラソンは、家族と友人の有り難さを実感したマラソンになりました。
(共同通信/2024年10月28日配信)