東京の桜の開花と同じ頃、日本パラ陸上競技連盟はパラリンピックサポートセンターで、中期計画発表会を開きました。「私たちもロサンゼルスパラリンピックに向けて花開きます」と、冒頭私は記者の皆さんの前でご挨拶。
募集していたスローガンには124の応募があり、その中から脳性まひクラス(T35)の坂口美果さんの作品が選ばれました。「自分の限界に挑戦すること、仲間やライバルと競い合うこと、その先にパラ陸上を通して未来も変えていこうという気持ちを込めて考えました」と坂口さんは嬉しそう。そして審査員を務めた箭内道彦さんが、まあるいオシャレなデザインと共にスローガンに仕上げたのが、「挑め未来!」です。
またこの日は、強化委員長に就任した鈴木徹さん(44歳)が、今後の強化方針を発表。元パラリンピック選手の就任は初めてで、記者たちからの質問も多かったです。「パリ大会では9個のメダルをとりましたが、金メダルはゼロ。色々な施策のアイデアを形にしていきたいです」と鈴木さんは爽やかに、力強く話しました。
やりたいことも具体的で、「選択と集中」で健常者の中に埋もれている選手の発掘や高校の指導者との連携、元オリンピック選手の高平慎士さんがコーチに決まったことも発表。「年間アワードを作ることやガイドランナーを増やすことも大切。国際グランプリ大会の開催や子育て支援も…」と、パワフルです。
中学から6年間ハンドボールをしていた鈴木さん、18歳の時に交通事故に遭い右脚を切断。その後、陸上の走高跳びに取り組み、パラリンパックに6回出場しました。選手たちからの信頼も厚い兄貴分、鈴木さんを全力で応援していきたいと思います。
(共同通信/2025年4月7日配信)