みかんが黄色く色づき始める9月末、毎年青梅市近郊で「親子ジョギング教室」を行っています。主催する青梅佐藤財団は、一流の音楽家によるコンサートを行ったり、国際理解を深める講座を実施したりしています。そして地域の子ども達を元気にしようと、2007年から幼児から小学校低学年までの親子ふれあいスポーツ教室を開いているのです。今年は瑞穂町の体育館で約30組の親子と触れ合いました。普段は夫がアシスタントに務めるのですが、太った上に腰を痛めてしまい使い物になりません。そこで新たなアシスタントにと、リオデジャネイロ五輪女子1万m日本代表の関根花観さんに声をかけました。すると「喜んで」と一緒に参加してくれたのです。
最初に皆の前で挨拶をすると、3歳の女の子が私達の所に近づいてきて「はなみ先生、きれい」と言いました。すぐに「あけみ先生は?」と私が聞くと困った顔をして「…かわいい?」とその女の子が言い、体育館内は笑いの渦に。
関根さんはリオ五輪の2年後に、名古屋ウイメンズマラソンを走り初マラソン日本歴代4位の好成績を残しました。その後はケガもあり24歳で引退。それから専門学校に入り猛勉強をして保育士の資格を取るなど、がんばっています。
普段から幼稚園や小学校などでも指導しているので、教えるのが上手な関根さん。「肘で後ろの太鼓をたたくみたいに腕振りをしましょう」と一人一人の腕に手を添えて指導します。膝を曲げて子どもの目線に合わせて話しかける姿にも感動しました。スポーツ選手のセカンドキャリアが注目されていますが、関根さんは彼女のランニングフォームのように美しく走り続けています。
(共同通信/2023年9月25日配信)