パリ五輪開幕まで100日を切りました。東京五輪が1年延期となったので、あっという間という感じです。パリ大会は、新競技のブレイキンをコンコルド広場で行ったり、ビーチバレーをエッフェル塔の前で行ったりと威厳を保ちながら予算を節約しているのがステキです。
女子マラソンは最終日。これまで大とりは男子マラソンでした。でもパリ大会は、フランス生まれのアリス・ミリアさんを称えているからでしょう。近代オリンピックの父、クーベルタン男爵は女性が五輪を目指すことをよしとしていませんでした。アリスさんは男女平等を唱えて国際女子スポーツ連盟を作り、女性がオリンピックに出場する道を作ったのです。
女子マラソンは、ベルサイユ宮殿が折り返しの美しいコース。序盤にオペラ座やルーブル美術館などパリの名所を見せるため、曲がり角が多く、路面は石畳の所も。累積の高低差は過去最高で、400m以上のタフなコースなのです。
5月下旬から一山麻緒さんはアメリカ・ボルダーへ。前田穂南さんはアルバカーキ。鈴木優花さんがパリを試走してからボルダーで合宿と、個々に取り組みます。「チームジャパンとして戦いますか?」と鈴木優花さんを指導する山下佐知子さん(第一生命グループ特任コーチ)に伺うと、「それが出来るかどうかは一人一人のコンディショニングですね」と話しました。確かに、前田さんは度胸があり、調子が良い時は世界の大舞台でも先頭でレースを引っ張ることが出来ます。そこに一山さんと鈴木さんが乗ってレースを進めれば、ラストスパート鋭いアフリカの選手たちの脚を前半で疲れさせることも。花の都パリで、ニッポンの大きな花を咲かせて欲しいと思います。
(共同通信/2024年4月26日配信)