ラジオ放送が始まって今年で100年。3月中旬、「放送100年スポーツ名場面」の収録が行われました。野球の田口壮さんや、サッカーの中澤佑二さん、レスリングの吉田沙保里さんたちとご一緒して、とても楽しい時間でした。
今、大谷翔平さんが大リーグで大活躍、日本でもリアルタイムでその活躍を観ることが出来ます。実はスポーツ中継の始まりも野球でした。最初の放送は、1927年の全国中等学校優勝野球大会(現在の甲子園)。水原茂さんの力投で高松商業が優勝したのです。
田口さんは2回ワールドシリーズを制覇。優勝記念のチャンピオンズリングを2つ、見せてくれました。「ハンコみたいですいね」と私が言ったら笑われましたが、リングはダイヤモンドで装飾されていてゴージャス。休憩中に、いくら位するでしょう?と聞くと「家一軒分の価値があると言われます」と田口さんはニッコリ。
五輪を実感放送で伝える時代もありました。アナウンサーが競技を観ながらメモを取り、それを後でスタジオから放送。アナウンサーの想像力が生かされたことでしょう。水泳では洗面器に水を入れてチャプチャプさせるような工夫も。
1964年東京五輪の年に生まれた私は、「世界中の秋晴れを全部東京にもってきてしまったような…」で始まる北出清五郎さんの名実況を、ドキュメンタリー映画で聴いて感動しました。その東京五輪では日本女子バレー、東洋の魔女が大活躍。視聴率は、未だに歴代スポーツ中継トップで66%!テレビがお茶の間を明るくし、その後も技術はどんどん進化。野球中継ではCGも駆使し、打球の角度や初速などを分かり易くリプレイしています。益々テレビ観戦が楽しめそうです。
(共同通信/2025年3月24日配信)