12月15日、第43回有森裕子杯人見絹枝杯山陽女子ロードレース大会が開催されました。前日、後楽園を走りに行くと、カエデやイチョウが美しく色づいていました。紅葉あかりで明るい岡山は、今スポーツでも輝いています。サッカーではファジアーノ岡山が悲願のJ1に昇格。また先日はパリオリンピック・パラリンピックのメダリスト達のパレードが行われ、体操3冠の岡慎之介さん達が車から手を振り、街は活気に包まれたのです。
レースは、三連覇がかかるマーガレット・アキドルさん(コモディイイダ)が最初5㎞キロを15分54秒とハイペースで飛ばしました。そこにカマウ・タビタ・ジェリさん(三井住友海上)、吉薗栞さん(天満屋)と伊澤菜々花さん(スターツ)が付き、4人で先頭集団を形成。5㎞過ぎから伊澤さんと吉園さんは離れましたが、2人はお互い刺激し合いながら前を必死に追ったのです。諦めない!気迫が伝わり、私は移動中継車の中で胸が熱くなりました。
そして終盤に伊澤さんが落ちてきたタビタさんを捉え、残り1㎞を切り、吉薗さんが猛スパートでダビテさんと伊澤さんさんを抜き、2位でフィニッシュ。伊澤さんも3位に続きました。アキドルさんは大会新記録で優勝。吉薗さんは2分以上、伊澤さんも3分以上自己ベストを更新しました。
レース後、山口衛里監督が「吉薗選手は、両膝の半月板を手術して、走れない時期が長かったんですよ」と話してくれました。また伊澤さんは、順天堂大学でコーチをしていましたが「私はまだやり残したことがある。マラソンを走りたい」と、スターツの弘山勉監督の元へ。苦労の末のニューヒロインの誕生に、岡山路が更に明るくみえました。
(共同通信/2024年12月16日配信)