先日、2035年から3巡目を迎える、国民スポーツ大会(国スポ)の今後の在り方を考える有識者会議が終了しました。会議は3回行われましたが、私も委員の一人。競技団体やメディア、自治体の代表者がいる中でアスリートの立場から発言させて頂きました。
1946年に始まった国体は、一巡目は開催地の道路が整備されたり、競技場の施設を新設したり、戦後のインフラ整備に大きく貢献。また、開催地の優勝を目指して選手や指導者を招へいするなど、競技力の向上や育成にもつながりました。
でも今、メリットよりも大会開催費用の自治体への負担が大きいため、全国の知事から見直しの声が。それを受けて会議では、幾つかの都道府県が一緒に行う、地域ブロックでの開催や、開会式などを行う3万人規模の競技場を必須条件から外すなどの方向性が打ち出されました。
私は「アスリートにとって、最高峰の大会」とあることに対して、発言。というのも、既に中学生には全中が、高校生にはインターハイ、大学はインカレというように最高峰の大会があります。正直、国スポに価値を感じるアスリートはそんなに多くないと思うのです。もっと選手が価値を感じられる大会にしていかなければいけません。すると、平野早矢香さん(元卓球日本代表)が「オリンピックの選考を兼ねるとか、国スポに参加するとセカンドキャリアに繋がるなんて、いいですね」と私の発言を受けてくれました。嬉しかったです。
提言には今後検討すべき課題も多く残されました。「全国知事会と十分協議して決める」という事項もあります。未来に向けて、トップアスリートと地域活性化の好循環が進んでいけばいいと思います。
(共同通信/2025年3月17日配信)