9月に入るとパリは秋の装い。パリパラリンピックを夫と共に応援に行きました。陸上競技場の観戦チケットは、当日券を買えばいいやと気楽に思っていましたが、チケット売り場がありません。ボランティアの人に伺うと「オンラインチケットのみなのです。スマホで買ってくださいね」と。スマホのQRコードを画面で見せて入場するのだと親切に教えてくれました。
街並みは厳しい条例によって古い建物を修復し大切にしているパリですが、デジタルは進んでいます。ホテルに戻って早速パソコンに向かうと、「席はいっぱい。午前の部は売り切れだって」と夫。7万人の競技場がほぼ満員?
大型ビジョンが見えにくいという条件つきのチケットを買って、翌日競技場へ。本当にいっぱいの人で驚きました。
大声援の中で日本選手は活躍。100mで銅メダルに輝いた川上秀太さん(視覚障がい)は「あんな大きな声援は始めて。気持ち良かったです」と、もう4年後に向けて意欲を高めています。走幅跳びに出場した酒井園美さん(知的障がい)は「世界選手権とも違う雰囲気で、これがパラリンピックなんですね」と。空気に飲まれて力を発揮できずに涙。でもこの経験は次に生かされるでしょう。
最終日、マラソンの応援にシャンゼリゼ通りへ。パリ在住の方に多く会いました。観客の多さにびっくりしたことを伝えると、「大会前も大会中もずっと生放送していますからね」と。それで自分もパラの選手達を応援したくなって、ここに来たと話しました。フランス2(全国放送のチャンネル)が凱旋門横に特設スタジオを組み、朝から連日生中継。「パラリンピックの革命を起こる」と言ったフランスの気合を感じました。
(共同通信/2024年9月9日配信)