プラタナスの並木が色づき始めた9月8日、パリパラリンピックのマラソンを応援にシャンゼリゼ通りへ。終盤、凱旋門を折り返して下る40㎞地点です。
日本代表のサンライズレッド色のジャージを着て応援していると、次から次へと日の丸を手にした方々が近づいてきました。「必勝」と書かれたハチマキを締めて応援に来たのは、パリに15年住んでいるというマリさん、妹のエリさん、お友達のモエさん。出身地やフランスの話に花が咲き、一緒に応援すること。
男子の車いすの選手がやってきました。鈴木朋樹さんが中国の選手と2位3位を競り合っています。私たちは声を揃えて、「と、も、き!と、も、き!」と応援。すると朋樹さん、右手で小さくガッツポーズをとってくれました。「いい人~」とエリさん。続いて吉田竜太さんに「りょ、う、た!りょ、う、た!」と。石畳に苦戦しながら必死にこぐ姿に、「涙がでますね」とマリさん。
その後も、車いす女子、視覚障がい男子の選手たちの名前を呼んで応援。外国人には、教えってもらったフランス語「アレ、アレ、アレ!」(がんばれ)と声をかけました。途中から和食店を営むご家族も合流して賑やかに。
最後は、視覚障がい者女子の道下美里さんです。2人のモロッコの選手が通過した後、3位のスペイン選手は伴走者の男性がすごく苦しそう。前かがみ気味で視線も下に落ち「どっちが伴走者か分からないね」と皆で話しました。その約2分後に道下さんと伴走の志田淳さんの姿が。小気味いいピッチを刻む2人に「み、さ、と!しーだ!み、さ、と!し~だ」と私たちは声を張り上げて応援。すっかりお友達になってしまい、一体感がたまらないパリでした。
(共同通信/2024年9月13日配信)