私が会長を務める日本パラ陸上競技連盟は、2028年のロサンゼルスパラリンピックに向けて、スローガンを募集することを決めました。選手や指導者、家族や連盟、ファンもスポンサーも皆が一丸となって、そのスローガンのもと、同じ方向に向かっていこうとするものです。
発案者は、連盟の専務理事杉本敦男さんです。杉本さんは元々、オイルヒーターや全自動コーヒーマシンを販売するデロンギ・ジャパンの社長をしていらっしゃり、70歳で社長を勇退。「社会貢献がしたい」と話す杉本さんをご紹介頂き、三顧の礼を持って専務理事に就任して頂いたのです。すると杉本さん、「皆でワクワクしながら、自立した組織をめざしましょう」と、先ずはスローガンを決めることに。
募集にあたり、杉本さんの友人でクリエイターの箭内道彦さんとお会いしました。金髪に赤いズボン姿の箭内さんは、ポップな感じで優しい雰囲気。広告をはじめ様々な分野で活躍する箭内さんが、なんとスローガンの審査を引き受けてくれることに。「パラアスリートの皆さんは、人々に勇気を与えていますからね」と箭内さんは話し、私も選手から元気を貰っていることを伝えました。
そして「選手たちは『失ったものを数えるな。今あるものを最大限生かそう』という言葉を体現しているんですよ」と言うと、「幸せを数えるっていいですね!」と箭内さん。連盟に春一番が吹いた爽やかさを感じました。
興味のある方は是非、スローガンを応募してください。言葉でも、写真でも、イラストでも大丈夫。日本パラ陸上競技連盟のホームページを開いて頂けると嬉しいです。心を一つに、共にロサンゼルスに向かっていけたら幸せです。
(共同通信/2025年3月10日配信)