4月27日、駒沢オリンピック公園陸上競技場のブルートラックが、ネモフィラの花畑のように青空に映えていました。4月25日から3日間に渡り開催された東京陸上競技選手権大会。秋には同競技場でデフリンピックが開催されます。トラック表面のゴムが一部張り替えられ、白のラインが濃くなるなど、鮮やかな色で世界中のアスリートをお出迎え。
大会2日目と3日目は、デフリンピック日本代表の選考会(100、200、400m)も。最終日の朝、競技開始前に審判たちが集合して、打ち合わせ。すると、デフ陸上競技協会の山岸亮良さんが「昨日はご迷惑をおかけしました。今日は旗を大きく振って頂いて構いませんからね」と。実は昨日、100mに出場したデフの選手が、フライングでピストルの音が何回か鳴ったことに気づかず、60m位走ってしまいました。審判が旗を振っても、選手は集中しているので止まることが出来ませんでした。さあー、今日は?
200mのスタート。スタートランプのLEDが緑に変わるのを見て、スタート!でもフライングでやり直し。審判は直ぐに大きく旗を振り、今回は止められました。そしてもう一度スタート!今度は成功です。
向かい風3mのなか、1位山本剛士さん。続いて山田真樹さん。「風がすごかった!」と山本さんが手話で話すと、「僕は接地を意識して体を安定させてから走ったよ」と山田さん。「がんばったね」と私は覚えたての手話で。
選手2人は、横にいた審判に「ありがとう」と、相撲の手刀を切るような手話をしました。すると、スタンドの中学生たちがすぐに真似を。1つ1つが本番へのリハーサルです。11月、手話の花咲く競技場が楽しみです。
(共同通信/2025年4月28日配信)