日本のひなた宮崎県の日南市で、10月1日、第3回全国ダウン症アスリート陸上競技記録会が開催されました。北海道や佐賀、広島など全国から集まったダウン症の選手は52人。加えて宮崎マスターズ陸上と地元の小学生たちも参加し、ヤシの木に囲まれた日南総合運動公園は和やかでした。
日南市は夫の故郷。現在の宮崎県南部、飫肥藩の城主伊東家を支えた家臣に夫の木脇の先祖の名前があるそう。日南市陸上競技協会会長の藤井晃治さんが「世が世なら大変なお方」と言われ、木脇は「世が世でないので、今は増田明美の家臣です」と。みんな大笑いでした。
この大会をイチから作りあげた奥松美恵子さん(日本パラ陸上競技連盟常務理事)は「2019年にオセアニアでダウン症アスリートの世界大会があり、その時アジアからの参加がゼロでした。先ずは日本で大会を作らなければと思いましたよ」と話します。欧米と比べて日本は、ダウン症の子どもの運動を制限する時代が長く続きました。でも「体力をつけることは大事。そのためには目標となる大会が必要で、大会に出場するために運動習慣が出来ますからね」と奥松さん。
この日、100m、走り幅跳びなど5つの日本記録を持つ山本汐音さんも参加。ダイナミックな走りや跳躍に会場が湧きました。愛知県から参加した田口隆太さんは走り幅跳びで日本記録を達成。砲丸投げなど含め合計6つの日本記録が誕生したのです。「山に囲まれて気持ち良かった。宮崎の地鶏食べて帰ります」と田口さん。ご両親は「大会で色々な人に出会えて世界が広がるのが嬉しいです」と話しました。みんなとっても可愛い。少しずつ参加人数を増やしていけるようがんばりたいです。
(共同通信/2023年10月2日配信)