日本とオーストラリア・シドニーの時差は1時間。(日本が1時間遅い)9月15日、シドニー時間の朝6時に、シドニーマラソンがスタートしました。私は東京のフジテレビで国際映像を観ながら解説を。今年はコースが変わり、スタートが2000年のシドニー五輪の時と同じになりました。高橋尚子さんが金メダルを獲得した時のことを思い出し、レース前に彼女が詠んだ「タンポポの綿毛のようにふわふわと42キロの旅に出る」という歌を思い出して清々しい気持ちに。
シドニーのシンボルといえるハーバーブリッジやオペラハウスなどが美しくて解放的。季節は春、制限時間も7時間あるので、約4万人のランナーたちの中には、景色を数えながら旅を楽しむように走る人も多いようでした。
ただ先頭集団に目を移すと、すごい顔ぶれ。男子は2時間4分台が4人、5分台が3人。女子は2時間18分台4人、19分台が2人。アフリカの選手が増えたのです。これはシドニーマラソンが、ワールドマラソンメジャーズの仲間入りを目指しているからです。来年までに基準をクリヤーすれば、ボストン、ニューヨーク、シカゴ、ロンドン、ベルリン、東京に並んで7大会目の加入になります。南半球は初となるので実現したらステキです。
その条件に、コース上のエンターテイメント、ライブ中継の制作と参加者の国際化、そして「優れたランナー」などの項目が上がっています。先頭は世界トップクラスの選手たち、後方は走ることを楽しむ市民ランナーたち。マラソンはこの幅が魅力なのだと思います。メジャー6大会を全て完走すると貰える6スターメダルは、市民ランナーの憧れ。7つになったら、また1つ旅が加わります。
(共同通信/2024年9月20日配信)