仙台の街はイチョウの黄葉に包まれ、その中を赤い紅葉が躍動するようでした。11月27日、クイーンズ駅伝が開催され、赤いユニフォームのJP日本郵政グループが優勝。レース前の大方の予想は「積水化学が圧倒的に強い。2位争いが熾烈になる」でした。つくづく駅伝は自己ベスト記録の「足し算」ではない、と実感しました。
優勝したJP日本郵政グループは、1区の菅田雅香さんが先頭とわずか5秒差の3位で好スタートを切り、2区の牛佳恵さんが2位に押し上げます。そしてエースが集う3区で廣中璃梨佳さんが先頭を走る積水化学の佐藤早也伽さんを追い抜き、勢いをつけました。
実は廣中さん、今年1月から膝などを故障し、パリ五輪の代表になりながらも欠場。相当苦しかったと思います。でも「あの故障があったから今がある、と言えるようにがんばりたい」と前日の記者会見で。本当に魂の走りでした。
4区のカリバ・カロラインさんもがんばり、先頭でタスキを受けた5区の鈴木亜由子さんは積水化学の新谷仁美さんに追いつかれましたが、最後に全身全霊のスパート。トップでそのタスキを受けたアンカーの太田琴菜さん、すぐに積水化学の森智香子さんに抜かれましたが、大きく離されることなく、粘りの走り。そしてラスト1㎞からのロングスパートで森さんを引き離し、フィニッシュテープに飛び込みました。
歓喜の輪の中で「120%の力を出してくれました」と、レース後に髙橋昌彦監督。隣で太田さんは「(タスキ渡しの時)亜由子さんに行けーと言われました」と笑顔いっぱい。「皆がそれぞれに色々なものを乗り越えたから、強いチームになりました」と亜由子さん。正にチームワークの勝利でした。
(共同通信/2024年11月25日配信)