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おしゃべり散歩道2017

墨絵でスポーツの躍動感を描く

 羽田空港の第1ターミナルを利用したことのある人はきっと目にしていると思います。飛行機に搭乗する通路のダイナミックな墨絵。様々なオリンピック・パラリンピック選手が躍動感たっぷりに描かれています。その絵は、茂本ヒデキチさん(59歳)のもの。世界的に評価が高く、北京、ロンドンの五輪前には現地でライブペイントを行いました。
 実は茂本さん、私が授業をする大阪芸術大学の出身で、大阪・あべのハルカスにあるスカイキャンパスで、7月2日まで個展が開催されています。先日そこでご本人と対談する機会に恵まれました。
 入口には、真田幸村の武将姿に並んで、バスケット、サッカーのアスリートの大きな絵が。白と黒だけで表現された動きのスピード感が何ともカッコイイ。中へ入ると、様々なスポーツ選手やアーチストを描いた墨絵が並んでいました。
 「忙しいのによく来てくれましたね」と、優しい笑顔に凛とした雰囲気の茂本さん。「入口の3つの墨絵、どの位の時間で描きましたか?」と伺うと「25分位かな。3枚を並べて同時進行で描きました」と。会場には歴史小説家の海道龍一朗さんの姿が。海道さんは「彼の絵には風が見える」と、デビュー作「真剣」の表紙を茂本さんにお願いしたそうです。競技中の選手の一瞬を切り取った写真を見ているとイメージが湧いてきて、一気に筆で表現すると話した茂本さん。「描いていくうちに選手の呼吸や空気感が分かってきました」と。「瞬間を切り取るのは俳句と同じですね」と私が投げかけると「そうですね。日本文化のひとつの特徴でしょうか」と。2020年、スポーツと伝統文化の融合が世界を湧かせるかもしれません。

(共同通信/2017年5月29日配信)

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