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おしゃべり散歩道2015

ブランド力高める3要素

 クリスマスを前に都内で日本スポーツマネジメント学会が開かれました。私は「オリンピックに向けた個人競技のブランディング」というテーマのシンポジウムにパネリストとして参加。座長の藤本淳也さん(大阪体育大学教授)の進行により、その競技のファンを増やす方法や、選手のあるべき姿や選手の価値を高めることについて議論したのです。
 個人のブランド力を高めるには3つの要素が必要だと発表したのは杉本龍勇さん(法政大学経済学部教授)。バルセロナ五輪に4×100mリレーで出場し6位に入賞した杉本さんは「競技力はもちろん、付加価値と露出度が重要です」と。付加価値とはコメント能力や人間的な魅力などのこと。会場にはフィギュアスケートを引退した後、早稲田大学大学院で勉強している町田樹さんの姿がありました。一生懸命に聴く彼の姿に、現役時代の試合後のインタビューを思い出しました。哲学的な発言が魅力的で、町田さんこそ3つの要素を持っている人だなと感じたのです。
 日本スケート連盟の強化副部長で法政大学スポーツ健康科学部兼任講師の竹内洋輔さんは「フィギュアスケートでブランディングし易い理由は、15歳で金メダルが獲れる可能性があることです」と。事前番組を制作しようと子ども時代の映像を探せばすぐに数年前のものがたくさん出てくるなど、楽しいお話しでした。
 そして早稲田大学スポーツ科学学術院でスポーツマネジメントを研究する新井彬子さんは「選手がソーシャルメディアで情報発信をする時代、スキャンダルに一番注意が必要です」と。海外のスター選手の話しなど。選手にとってのブランディングはサンタの贈り物のようだと感じました。

(共同通信/2015年12月21日配信)

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