出雲駅伝(10月14日)を皮切りに駅伝シーズンがスタートしました。「夏合宿はワクワクしたい」と話していた國學院大学の前田康弘監督。よい合宿が出来たに違いありません。出雲では初優勝!今シーズンの台風の目になりそうです。どのチームにおいても、チームの雰囲気や夏合宿の成果が勝敗のカギを握ります。
そして今回私が注目しているのは、立教大学です。今年の創立150周年に向けて強化を進めてきましたが、昨年早くも55年ぶりに箱根駅伝に出場(18位)。今年の箱根は順位をあげて14位。メキメキと力をつけています。4月から監督が髙林祐介さんに変わりました。髙林さんは駒澤大学で活躍し、トヨタ自動車へ。現役引退後は早稲田大学大学院で学びました。私は以前から親交があり、先日埼玉県新座市にある合宿所へ伺いました。驚いたのは、選手たちがとても明るく楽しそうに、厳しい練習へ向かっているのです。
「でも最初はアウェイの空気を感じましたよ」と髙林さんは言います。すると隣で林虎大朗さん(4年)が「皆近寄り難かったんですよ~」と笑いました。大学でも実業団でも、駅伝の優勝経験が何度もある髙林さんの存在が大き過ぎたようです。でも髙林さんは決して上から目線ではありません。選手の考えをしっかり聞いて、アドバイスしながら一緒に進んでいく人。夏合宿中に、サプライズで髙林さんの誕生日ケーキが用意されたそう。「びっくりしましたね。自分も忘れていたのに」と笑う髙林さんに、「増田さん、監督のスマホの待ち受け画面可愛いですよ」と國安広人さん(3年)。見せてもらうと、お子さんが書いた絵が。まるで兄貴と弟たちのような関係が微笑ましかったです。
(共同通信/2024年11月1日配信)