画像 夢を走り続ける女たち

オリンピックを目指す道は、遠く険しい。
シドニーからアテネまでの4年間、
栄光と挫折の日々を走り続けた
女子マラソンのランナーたち。
勝利を目指す女たちの軌跡をたどる。

著者  増田 明美
出版社  講談社
発売日  2004年5月13日
ISBN  4-06-212373-8
定価  1785円(税込)
メッセージ

さらさらと降る雨が街路樹を濡らし、木々の緑をいっそう深く鮮やかに染めています。あと1ケ月か2ケ月もすれば、カァっと暑くなりオリンピックが始まります。

皆様いかがお過ごしでしょうか。増田明美です。
1896年に始まった近代オリンピック。女子マラソンが初めてオリンピック正式種目になったのは、ちょうど20年前。私が出場した1984年のロサンゼルスオリンピックでした。その頃から、日本の女子マラソン選手達は世界のトップクラスを目指してきました。そして今、彼女達は世界のトップ争いをしています。
日本選手が初めて金メダルを獲得したシドニーから4年。女子マラソンが始まって5回目のオリンピックが、今年ギリシャ・アテネで開催されます。
人気種目と言われる女子マラソンですが、選手達の生活や、レースでの駆け引き、トレーニングに交流、屈辱的なドーピングチェック・・・・。彼女達の毎日はまだまだヴェールに包まれているように思います。
素敵に恋をして、笑って、泣いて、しなやかに走る彼女達。
「マラソンは一番自分がでちゃう」と、小出義男監督。「マラソンは性格だよ」と、鈴木秀夫監督。2人の名監督が言うように、一流選手達は人としてもとても魅力的です。
私は、彼女達のそんなチャーミングな姿や、成長しようとするひたむきさ。そしてそれを支えるスタッフや会社、陸連のことなどを、多くの人に知ってもらいたい。手帖のように気軽に開いて楽しんでもらえる面白い本が書きたいと思っていました。
5月13日に講談社から発売される「夢を走り続ける女達〜女子マラソン炎の闘い〜」は、そんな私の思いが凝縮された本になりました。オリンピック代表選考選手になった三人は勿論、日本、海外の有力選手達の4年間を追いながら、「え!この人こんなことがあったの!?」「あはは、レース中こんなこと考えてたんだ」なんて思っていただけたら嬉しいです。
またこの本の表紙は、「アケミ、僕もあと少しでオリンピックだったんだよ〜」と、「ハリーポッター」(日本版)の表紙も担当するダン・シュレンジャーさんが描き下ろしてくださいました。オリンピック強化選手同士としてアメリカで出会った20年前は、まさかこんな風に仕事でまた関われるとは思っていませんでしたが・・・。素敵な表紙も合わせてお楽しみください。                    

増田明美