パラリンピックへ順調
「タヌキやウサギ、たまにアライグマも遊びに来ますよ」と話すのは、国士舘大学陸上競技部監督の岡田雅次さん。11月7日、8日と関東パラ陸上競技選手権大会が国士舘大学(東京多摩市)のグラウンドで開催されました。東京陸上競技協会の方々に混じり、国士舘大学陸上部の選手200人以上が運営のお手伝いを。色づき始めた山々が400mのブルートラックを囲む美しい風景の中、選手たちは伸び伸びと競技しているように感じました。
アジア記録7個を含む日本記録が19個も誕生。私が注目していた視覚障害T12女子5000mでは、道下美里さんが小気味よいピッチ走法で、伴走の河口恵さんと共に自らの日本記録(19分10秒66)を約21秒更新。でも「久しぶりのレースで固くなってしまいました」と道下さんは苦笑い。来年の東京パラリンピック女子マラソンで金メダルを目指しているので、目標が高いのです。
7、8月と北海道北見市で合宿を行った道下さん。指導する安田亨平監督によると、「40q走の翌日に5000mを18分37秒で走りましたよ」と。その他にも練習で何度も日本記録を上回るタイムで走っているそうです。隣で「鬼監督ですよ」と笑顔の道下さん。すると安田さん、「今日はこれですぐ帰り、明日は40キロ走、明後日は3キロを3本行います」と。すごい練習量です。スピードに磨きがかかった道下さんの次のマラソンが楽しみ。
国士舘大学の選手達は自分が専門とする種目の運営を手伝いながら、競技も真剣に見つめていました。「義足に体重をかけて跳ぶ動作が参考になった」と、走り幅跳びの選手。パラ選手にとっても、大学生にとっても実りの多い時間でした。
(共同通信/2020年11月9日配信)
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