練習状況はそれぞれ
新米が美味しい季節、いよいよ駅伝シーズンも始まります。それに向けて大学や実業団のチームを取材中ですが、今年は新型コロナウィルスの影響が大会にも表れそうです。というのも、4月7日に緊急事態宣言(一部地域)が発令されてからの各チームの練習環境に違いがあるからです。例えば、全日本大学駅伝で昨年優勝した東海大学では、大学のルールを守り、4月と5月は集まって練習することはありませんでした。個人練習の日々だったのです。
その一方で、ライバルの青山学院大学は5月から6月にかけて、チームで菅平合宿を行っていました。授業がリモートなので、町田の寮から電車通学で人混みに入らずに感染リスクも下げられ「授業を休むことなく、充実した練習ができました」と原監督。大学によって、自由に合宿が出来るかどうかもにも違いがあるようです。
実業団でも日本郵政グループは合宿所のある武蔵小金井市で個人練習の日々。自社で陸上のトラックと隣接した寮を持つ、第一生命グループや三井住友海上は、通常通り練習を続けることが出来ました。ただ7月のホクレンディスタンスには「金融機関という仕事柄、県を越えての大会には出場しないことを決めました」と三井住友海上の高堰宗マネジャー。
ダイハツチームは4月の緊急事態宣言前から宮崎で合宿。その後も「大阪に帰らず、合宿を続けてください」と会社から言われ、5月末まで合宿を続けたのです。掃除をしなくてよい、会社にもいかなくて良い生活に「気持ちの緩さがでたのでしょう。ホクレンディスタンスは良い成績を残せませんでした」と山中美和子監督。コロナ禍への対応力こそが、今年の駅伝のカギになりそうです。
(共同通信/2020年10月12日配信)
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