緑豊かで涼しい札幌
競泳の東京都特別大会での池江瑠花子さんの復活に涙がこぼれました。昨年2月に白血病を公表した時「もう水泳なんかいいから、とにかく長生きして」と池江さんのお婆ちゃんが話す姿が印象的でしたが、皆、同じ気持ちで彼女を見守っていたと思います。そんな池江さんが病気を克服し、それどころか競技者として戻ってきたのです。どれだけ多くの人が勇気づけられたことでしょう。そしてまた五輪の風が吹いてきたように感じます。
そんな中、私は8月下旬に新聞社の仕事で札幌市へ。来年の東京オリンピックのマラソンコースをみるためです。今年1月下旬に訪れた時は、道路に雪が積もっていました。それで道路と歩道の堺が分からなかったり、路面の様子が見えなかったり。それが今回、詳しく見ることが出来たのです。コースになっている北海道大学の構内の七連続した曲がり角は狭いものの、内側が丸く緩やかなカーブのようになっている所もありました。コース沿いには開拓のシンボル的な存在の札幌農学校第二農場があり、緑の木々と共に美しい。
そんなコースを走る選手の皆さんは、誰もが大志を抱いて努力し目標を達成して今日に至る。コース沿いにあるクラーク博士の胸像に、見守ってくださいと手を合わせました。
この日、東京は残暑が厳しく最高気温は35℃でしたが、札幌は20℃。スタート・ゴールとなる大通り公園には色とりどりの花壇があります。こんなに緑豊かで花々が咲きほこるマラソンのスタートは、五輪で初めてではないでしょうか。きっと選手たちの緊張を和らげてくれることでしよう。来年の8月8日(女子)9日(男子)が楽しみです!
(共同通信/2020年8月31日配信)
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