新型コロナで選手は?
葉桜やチューリップを眺めながら自宅周辺をジョギングした4月最初の日曜日。都内はお正月のように車も人も少なく異様な感じ。新型コロナウイルスがここまで私たちの生活を変えるとは思ってもいませんでした。
陸上競技の選手たちも大変です。「試合がありませんからね。キツいですよ」と話すのは、名城大学監督の米田勝朗さん。昨年、女子駅伝2冠で大学日本一になったチームです。学校が4月20日まで休校となり、学内にあるグランドで毎日練習しているそうです。そして練習後は「出来るだけ寮から出ないように話しています」と。大学内で合宿を行っている感じなのです。選手たちはストレスを感じていることでしょうね、と私が言うと「はい、でも気を緩めると、どんどん走れなくなります。選手には、どれだけがんばれるか試されているんだよ、と言っています」と米田さん。
実業団の選手はどうしているのでしょう?第一生命グループ陸上部監督の山下佐知子さんに伺いました。「例年は日本選手権に向けてアルバカーキ(米国)で合宿しています」と山下さん。でも今年は寮の敷地内にあるグランドで朝、午前、午後と三回練習を行っているそうです。「新人も入ってきていますから、筋力アップやフォームの修正などをするチャンスだと話していますよ」と。「でもレースがないのは辛いです」と、米田さんと同じ悩みを。山下さんは練習で本番さながらのタイムトライアルを行い、緊張感を保つようにしているそうです。
人は目標とするゴールがあるからがんばれるのだとつくづく感じます。スポーツに限らず、その舞台が無くなっている中で努力を続けるのは大変なこと。真価が問われています。
(共同通信/2020年4月6日配信)
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