好環境でマラソン強化
新型コロナウィルスの影響が至るところに出ています。私が会長を務める日本パラ陸上競技連盟でも4月にロンドンで予定されていたワールドカップ(車いすマラソンの選考会)が中止となり、選手達の戸惑いは隠せません。それでも「私達は目の前の練習を継続するだけです!」と話すのは安田亨平さん(日本ブラインドマラソン協会強化委員長)。
3月上旬、千葉県富津市で合宿中の安田さんを訪ねました。そこには道下美里さん(視覚障がい害者女子マラソン世界記録保持者)や堀越信司さん(東京パラリンピック日本代表)の姿も。また今、日本女子最強市民ランナーと言われる山口遥さん(今年1月の大阪国際女子マラソン、2時間26分35秒で7位入賞)の姿もあり、大学生のガイドランナーを含め10人ほどが合宿をしていました。この日は、午前中に3000、2000、1000mのスピード練習。午後は富津公園で150分間走。マラソンの基本は脚づくり!と話す安田さんらしい練習メニューです。
150分走が始まると「増田さんも一緒にどうぞ」と明るい道下さんに誘われて、集団の後ろに付きました。1km7分位のゆっくりペースなので暫く一緒に。走りながら話しを伺うと、強化合宿は年に120日間あるそう。山口さんは「堀越さんの伴走をすることもありますが、私自身の練習にもなる」と。2時間25分がベスト記録の堀越さんとはレベルも合うそうです。またガイドを務める順天堂大学や帝京大学、国際武道大学の選手達も「僕らも強化になっています」と。オリンピックを目指す人、パラリンピックを目指す人が自然な形で一緒に練習し、お互いの強化につながっている素晴らしい環境だなと思いました。
(共同通信/2020年3月23日配信)
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