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おしゃべり散歩道2020

お疲れ様、智ちゃん

 山口市椹野川堤防の梅の花が満開だった2月9日、維新みらいふスタジアム発着で全日本実業団ハーフマラソンが開催されました。女子は最初から萩原歩美さん(豊田自動織機)が主導権を握り速いペースで進み、そこに約25人の選手達が付いて大集団に。その後はサバイバルレースで一人二人と遅れていきました。15km手前で萩原さんも遅れ、最後はダイハツの竹山楓菜さん、ヤマダ電機の筒井咲帆さん、鹿児島銀行の池満綾乃さんに。競技場に3人でなだれ込み、残り150mで竹山さんがスパートして勝利しました。2週間前の大阪国際女子マラソン優勝の松田瑞生さんといい、ダイハツ勢が好調です。
 そして引退レースを笑顔で終えたのは、第一生命グループの田中智美さん。目標の1時間12分より速い、1時間11分47秒のフィニッシュ。ラストランの走りを北海道から父方の親戚、宮崎から母方の親戚、総勢44人の応援団が見守りました。「智ちゃんらしい。ほんとうに暖かい家族だから」とゴール後に山下佐知子さん。「監督に顔も似てきたと言われます」と智美さんがいうように、とても仲が良いのです。
 「疾風に勁草を知る」という座右の銘の通り、困難に立ち向かう智美さんを山下さんはずっと支えてきました。リオ五輪も二人三脚で。そして「監督のメニューをこなせなくなるのが寂しいです」と智美さんが涙ぐむと、山下さんは涙をこらえながら「増田さん、これから智ちゃん婚活です。宜しくお願いします」と。そこで私が、智ちゃんの好みのタイプは?と聞くと、「ユーモアがあって優しい人です。顔は綾野剛さん」「って言うから、探す方も困るじゃん」と山下さん。微笑ましい会話を家族たちが見守っていました。

(共同通信/2020年2月10日配信)

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