岡山から世界へ
師走の岡山路に元気な女性達の足音が。15日、第38回山陽女子ロードレース大会(有森裕子杯ハーフマラソン、人見絹枝杯10キロロード)が開催されました。注目はMGC(マラソングランドチャンピオンシップ)に優勝し、東京五輪を決めた天満屋の前田穂南さん。レース前日、MGCの後は少しゆっくり出来た?と聞くと「あんまり…、…クイーンズ駅伝もあったので…」と、いつもと変わらずはにかむような独特の表情で。この大会が終わったらすぐアメリカへ渡り、年末年始もアルバカーキで合宿なのです。休まなくて大丈夫?といえば「はい」と即答してにっこり。隣でコーチの山口衛里さんが「前田は24時間ずっと陸上のことを考えているのが楽しいんだもんね」といえば「はい」とまたにっこり。監督の武冨豊さんは「前田は私をやる気にさせてくれる。私の指導も引き上げてくれていますよ」と嬉しそうに話してくれます。名将を唸らせるほどの凄い選手なのです。
さてレースは「1時間8分台で走り、自己ベストを出したい」と言って臨んだ前田さん。序盤から積極的に先頭を引っ張りましたが、13km付近でスパートした英国のシャーロット・パデューさんに付けず2位に。記録は1時間9分8秒の自己ベストでしたが、喜ぶ様子はみじんもありません。「悔しいです、もっと練習します」と前田さん。東京五輪では金メダルをとります!と話しますが、不思議と全然ハッタリには感じらないのです。本当にやってくれそうな気がします。
「来年は年女ですから、輝ける1年にしたいです」と23歳の前田さん。子年だけに注(チュー)目される年になりそうです。
(共同通信/2019年12月16日配信)
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