災害に備える
台風15号により千葉県内は9月9日から各地で最大64万戸が停電。いすみ市の私の実家でも12日木曜日の夜8時半に復旧するまでの4日間、両親と猫1匹が電気のない生活を強いられました。
まず困ったのは連絡が取れないことです。固定電話も携帯電話も通じず、状況が把握出来ず不安になりました。すぐ近くの母の実家も連絡が取れず。10日の午後に市内中心部に暮らす叔母の携帯がようやく通じました。
両親の様子を見に行ってくれた叔母から「何とかやってるから大丈夫だと伝えて」と両親から私への伝言を聞いてひと安心。叔母が発電機を届けてくれたお陰で、扇風機や冷蔵庫、井戸のポンプを動かせるようになったのです。叔母は趣味で畑仕事を楽しんでいるので、作業用の発電機を持っていて助かりました。
電気、電話が復旧し両親に色々聞いてみると、先ず避難所がふれあい会館であることは、防災無線から入手したそう。空調も効いて食べ物もあるから避難すればよかったのですが、ウチは農家なので食べ物には困りません。「もっと困っている人がいるから」と我慢したようです。人に迷惑をかけたくない意識が強い世代なのでしょう。
そして、手回し充電できるラジオで情報を得ることができ、何より、停電の中でも新聞が毎日届いたので自分たちが置かれている状況がよく分かったそうです。お陰で両親はたくさんの情報を得て冷静に行動できました。いざという時に、ラジオや新聞といった昔ながらのメディアが役立つことを改めて感じたのです。「冬には薪ストーブもあるし、電気やガスがなくても、うちは2人と1匹が2週間くらいは生活できるさ」と話す父を誇らしく思いました。
(共同通信/2019年9月13日配信)
|