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おしゃべり散歩道2019

江東区のレガシー

 この夏は、屋外競技を中心に2020年に向けてのテスト大会が数多く行われました。そしてこれから来年にかけては、本番で使用する新しい施設での大会も数多く予定されています。最も多く競技が行われるのが、東京都江東区です。オリンピックでは10会場で12競技が、パラリンピックは7会場で8競技が行われます。
 9月初旬、来年に向けて盛り上がる江東区で自悠大学という市民講座から招かれ、お話をしに。区長の山ア孝明さんは「この春完成した夢の島公園アーチェリー会場でテスト大会があってね。行ってきたら、盛り上がっていたよ。でも、ゴミの上だと知っている人がどれだけいたかな?」と茶目っ気たっぷりに話されました。
 昭和32年から昭和42年、都内のゴミを埋め立てて出来たのが夢の島です。「(前回の)東京オリンピックの時代のゴミで出来た島。あの頃は東京各地からゴミを積んだダンプカーが江東区に集まって大変だったよ、匂いや砂ぼこりがひどかった」としみじみと。そんな苦労をした江東区で2020年にオリンピック、パラリンピックが一番多く開催されるのは、喜ばしいことです。
 自悠大学の参加資格は60歳以上で、年間20回もの講義があります。区役所の方の話しによると、毎年2倍の応募があり抽選で受講者を決定しているそうです。「オリンピックのチケットは当たらなかったけど、自悠大学に当たってよかった」とよく陽に焼けた男性が話しました。また「英会話の講義を受けて、ボランティアでがんばります」という女性も。
 2020年以降、選手達が闘い終えた様々な競技施設で区民の皆さんが汗を流す習慣が出来れば、健康長寿の夢の島にもなると思います。

(共同通信/2019年9月9日配信)

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