日本の技術で水質改善を
ピンクのサルスベリの花が夏を彩るなか、東京オリンピック・パラリンピックに向けてテストイベントが行われています。8月中旬には東京お台場でマラソンスイミングとパラトライアスロンの大会が開催。ところがマラソンスイミングでは、水温が高く悪臭があり「トイレの匂いだった」と批判の声があがり、パラトライアスロンの際には、大会会場のお台場海浜公園周辺のスイム(競泳)コースで基準値の2倍の大腸菌が検出されてスイムは中止になりました。世界一清潔な都市とも言われる東京で?と思った人も多いでしょう。
本番まであと1年。これからが日本の力の見せどころだと思います。お台場海浜公園は、私も何度かジョギングしていますが緑豊かな美しい公園です。観光客に加え、散歩やジョギングなどをする人も多く、憩いの場所になっているのです。ただ、東京湾の奥の埋立地に囲まれた海水面のため、水が留まってしまうのでしょう。1週間程度の短いイベント期間中以外は、水質の問題から遊泳禁止になっています。「海水浴場」にはなっていないのです。
元々「海水浴」は英国において医療目的で始められたそうで、日本では明治時代から。海に囲まれた日本で海水浴が盛んになるのは当然です。一時は公害による汚染がひどかった都市部の海もどんどんキレイになっています。日本は海水の淡水化や下水処理などの技術が世界トップレベル。天皇陛下もこれまで水に関する研究に取り組んでこられました。ぜひ日本の総力を挙げて、2020年までにお台場の水質を改善したいものです。そして大会後も、お台場で毎年海水浴を楽しむ光景が見られたらステキ。最高のレガシーになるでしょう。
(共同通信/2019年8月19日配信)
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