「根性が一番」と渋井さん
8月2日、1年後はちょうど東京五輪女子マラソン本番です。スタート時間の朝6時に合わせて、コース上の25km地点の増上寺、芝公園の周りを1時間ジョギングしました。暑い!しかもジメジメしていて(気温27℃、湿度93%、気象庁発表)、選手の皆さん、大丈夫かしら?と心配になりました。
この日、私がパーソナリティを務めるNHKのラジオ番組に渋井陽子さん(北京五輪女子1万m日本代表)が登場。私の心配をぶつけてみると、「根性さえあれば大丈夫ですよ」と一言。暑さ対策も色々考えないとね、と話すと「この暑さの中では根性が一番重要ですよ」と渋谷さんらしい答えでした。確かに・・、思い出すのは10年ほど前。渋井さんは土佐礼子さんと共に中国雲南省の昆明で夏、合宿を行っていました。汗びっしょりになりながら、1周1kmのクロスカントリーコースを30周、黙々と走る姿は根性以外の何物でもなく修行僧のようだったのです。そんな努力がマラソン2時間19分41秒(日本歴代2位)、また17年間破られない女子1万m日本記録の30分48秒89に繋がっています。
9月15日に行われるMGC(マラソン・グランド・チャンピオンシップ、東京五輪マラソン代表選考会)への期待を尋ねると「福士加代子さんが上手く走れば3番以内に入ると思います」と真剣な表情。切磋琢磨し合った戦友であり、今もLINEをし合う仲。「マラソンは経験ですからね。福士さんの歳になってみえてくることがあるんですよ」と。高校生の指導を行いながらも現役選手として走り続けている渋井さん。指導する城西高校では、スピード練習などを選手と一緒に行っています。その言葉には重みがありました。
(共同通信/2019年8月5日配信)
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