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おしゃべり散歩道2019

企業も観戦を支援

 岐阜メモリアルセンター長良川競技場に蝉の合唱が響き渡りました。7月20、21日に開催されたジャパンパラ陸上競技選手権では、世界記録2つ、アジア記録4、日本記録30と選手達は大活躍。特に、男子走り幅跳びで優勝したマルクス・レームさん(世界記録保持者・ドイツ)の8mを超えるジャンプには「おーっ」と観客席から大きなどよめきが。補助員で近くにいた高校生達は「すごい、すごい」を連発。跳躍を終えたレームさんは「会場のムードが良かった」と話しました。確かに、走り幅跳びを行う正面スタンドには沢山の観客が集まり、手拍子や声援が力になったようです。
 その観客席には、主催者である日本障がい者スポーツ協会の協賛企業の応援が目立ちました。実はトヨタ自動車に勤務する私の弟も、妻と子を連れて初めてのパラスポーツ観戦に、静岡県三島市からやって来たのです。交通費の一部を補助したりお弁当を配ったりして、各企業が様々な観戦の支援を行っています。
 8歳の甥っ子は、頂いたスティックバルーンを叩きながらの応援でご機嫌。彼は、車椅子や義手、義足の選手の障がいは分かっても「あの人はどこをケガしているの?」と、私に知的障がいの選手のことを尋ねました。また選手が義足を外し、その包帯の脚を見ると「包帯の下はどうなってるの?」「痛くないの?」等々、質問攻め。いい社会学習になると思い、一つ一つの質問に丁寧に答えました。
 また会場には、ボッチャや車椅子バスケットボールなどの体験コーナーもあり、甥っ子と一緒に楽しみました。家族でパラスポーツを応援しようという企業発の機運の高まりがステキ。観る文化が一歩進んだなと感じた一日でした。

(共同通信/2019年7月22日配信)

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