地元仙台で激走
母の日に行われた仙台国際ハーフマラソンは、令和になってすぐの新緑が一段と明るく感じられました。今井正人さんや中本健太郎さんなど9月のMGC(マラソン・グランド・チャンピオンシップ)を走る選手が沢山出場。顔ぶれの豪華さは、その前哨戦のよう。前日の記者会見、人気の川内優輝さんが「今年で8回お招きをうけています。仙台に来ると必ず愛宕神社にお参りにいきます」と言えば、仙台市出身の村山謙太さんは「僕は中学生の頃から薬師堂にお参りに」と会場を沸かせました。郷土愛溢れる人なのです。
村山さんが所属する旭化成チームからは、残念ながらMGCの出場資格を取った人がゼロ。何が原因か?と尋ねると「自分達の能力の足りなさ。選手とコーチのコミュニケーション不足もあるかも」と、真剣な眼差しで答えてくれました。旭化成は宮崎の延岡組と東京組に別れて練習を行っていることを言ったのかもしれません。「でも自分はハーフの記録で大迫(傑)さん、設楽(悠太)さんと遜色ない。いつかマラソンも2時間5、6分で走りたい」と。東京五輪への出場も諦めることなく、ファイルチャレンジ(今年度の福岡国際、東京、びわ湖毎日の3つの大会で派遣設定記録(5月中に発表)をクリアした最上位選手が代表選手になる)で狙いそうです。
そして、翌日のレースは村山さんのやる気を表すもの。最初から勢いよく飛び出し、ケニア出身のアレクサンダー・ムティソさんとハイペースな2人旅。終盤は佐藤悠基さんに追いつかれたものの、日本人2位の3位でゴール。「来週の日本選手権(1万m)では誰にも負けません!」と強気の姿勢。愛嬌のあるチャレンジャーの戦いは続きます。
(共同通信/2019年5月13日配信)
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