世界への可能性感じる
チューリップが歌うように咲いていた4月上旬、鈴木亮平さん(36歳)のラジオ番組に出演しました。昨年のNHK大河ドラマ「西郷どん」を欠かさず観ていたので、お会いするのが楽しみで仕方ありませんでした。スタジオのドアを開けると「こんにちは」と、鈴木さん。人を包み込むような暖かな笑顔は西郷どんのままです。でもかなり痩せられていたので、そのことを伝えると「役作りで太らなきゃいけなかったので大変でした」と、表情豊かに話してくれました。今は30分ジョギングをしたりフィットネスクラブで筋トレをしたり、運動を習慣化しているそうで、引き締まった体に戻ったようです。
鈴木さんは、私がマラソンの選手の時に走りながら何を考えていたのか?に興味を持たれていました。「調子がいい時は電車に乗っているような感じでしたよ」と、流れる景色を何となく数えていたことを話すと、「えっー?」と、また表情豊かに驚かれるのでした。「反対に調子が悪い時は、ゴール後に食べたいものばかり頭に浮かべていました」。すると大笑い。パラリンピックの選手達のことも良くご存じで会話は弾み、曲が流れている時の雑談で私が逆質問を。「ハリウッド進出は考えていますか?」「いいえ、ハリウッドは自分からではなく、待つ立場なんです。日本人が求められるのはもっと年齢がいってから。僕はまた若造です」と鈴木さん。そう言えば、渡辺謙さんも44歳の時「ラストサムライ」でハリウッドデビューしました。鈴木さんは、演技力はもちろんですが、留学経験もあり英検1級ですから、ハリウッドでも力を発揮すると思います。大らかで開かれた雰囲気に、世界を感じました。
(共同通信/2019年4月15日配信)
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