スポーツを文化に
桜の蕾が膨らんだ3月16日、大阪府茨木市で「2025大阪・関西万博に向けて地域社会と健康を考える」というテーマでシンポジウムが開催されました。私は関西大学の先生方と登壇。為になるお話しを沢山伺えて、充実した一日に。
「1964年の東京五輪を境に、わが家では朝食がご飯からパンに、ちゃぶ台がテーブルに変わりました。こんなことも東京五輪がもたらしたレガシーです」と、杉本厚夫さん(人間健康学部教授)。お話はユーモアにあふれ、生活文化の視点から始まりました。そして杉本さんが助言を行っている大阪マラソンは、来年からコースが大幅に変更になるそう。「スポーツは交流が大事です。都市型マラソンのフィニッシュは中心部がいい。ランナーや応援の人が食事をしたりお酒を交わしたりする場所が必要ですから」と。
そして西山哲郎さん(同)は今、大阪城公園や中之島がランナーのメッカになっていること等を例に挙げて「スポーツで生活が楽しくなる舞台が増えたらいい」と。国際健康スポーツ都市・大阪へ向けて「都市空間で、身近にスポーツを観戦したり、体験したりするように日常化を目指すべき」と期待を込めて話されました。
今年のラグビーワールドカップは花園(東大阪市)で試合が行われます。2020年の東京五輪では池田市など各地で事前キャンプが。そして2021年に関西ワールドマスターズゲームズ、2025年には大阪・関西万博と、大きなイベントが続きますが、その時の盛り上がりと共に、それを社会を変えるきっかけにすることで価値は大きくなります。スポーツは競技場の中だけでなく、家庭や学校、地域に溶け込むことで「文化」になるのだと思います。
(共同通信/2019年3月18日配信)
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