君原さんといだてん
春の光に包まれる小倉城、その横の道にずらーっと人の列が。「路面が全然見えませんね。初めてマラソンのスタートを見ます!」と興奮気味に話したのは、中村勘九郎さん。2月17日、第6回北九州マラソンが開催されました。勘九郎さんと共に大会ゲストだった私は、高い台の上からスタートを見送ったのです。「スッス、ハッハ、スッス、ハッハで皆さんがんばって・・」と挨拶したらランナーの皆さんから大拍手が。大河ドラマ「いだてん」を多くの人が観ているのが分かりました。
大会には君原健二さんもゲストランナーでいらしていて「中村さん、いだてんでは金栗さんの真面目な性格が良く出ていますよ」と話しかけていました。すると、真っ白い体操服で足元に足袋の勘九郎さん、「ありがとうございます」と、深々と頭を下げてお辞儀するのでした。そんな姿がドラマの金栗さんみたいで微笑ましかったです。「実は私は20歳の時に熊本30キロレースで金栗先生と会ってるはずなのですが…あまり記憶にないんですよ」と君原さん。でも恩師の高橋進さんは、金栗さんの教え子だと話しました。「それなら孫弟子ということですね」と勘九郎さん。
毎週欠かさず「いだてん」を観ている私にとって千載一遇のチャンス。色々お話を伺うと、五輪を撮影したストックホルムには約1ヶ月滞在したそうです。「800mを15本位走る日もありました。10kg体重が落ちました」と、勘九郎さん。靴底の薄いタビで、石畳の道を走ったので、ふくらはぎがパンパンになってしまったと。「でも今の撮影は女学校で教える教師役なので、少し太るよう心がけています」と。本当に気さくで優しい方でした。ドラマを観るのが益々楽しみ。
(共同通信/2019年2月18日配信)
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