2020年を目指して
新芽眩しいお茶畑を眺めながら夫の運転する車で袋井市へ。5月3日、エコパスタジアムで開催された静岡国際陸上を観戦に行きました。日本人初の9秒台を出した桐生祥秀さんが登場するとあり、駐車場はほぼ満車。「こんなに観客が多いとテンション上がりますね」とレース前から嬉しそうだったのは山本篤さん(リオデジャネイロパラリンピック、走り幅跳び銀メダリスト)です。彼は平昌パラリンピックにスノーボード競技で出場。入賞は逃しましたが、初めての冬期五輪出場に得るものは大きかったようです。「緑夢さん(成田緑夢、スノーボード・バンクドスラローム金メダル)と部屋が一緒で、やっぱりメダル取らなきゃダメだと思いました」と。成田さんが本番へ向けて集中していく姿や目標を達成した時の歓喜を目の当たりにし、心底「すごいな、でも悔しい」と思ったそうです。そして「2020年へ、良いモチベーションをもらいました」と。
この日、山本さんはほぼ満席のメインスタンドからの大声援をうけ、100mを13秒42で走りました。2週間前の織田記念と比べるとタイムはよくありません。レース後「スタート前、余分なこと考えちゃった」と即反省。余分なこととは、どうやって走ろうかな?と一瞬思ったことだそうです。その後は、桐生さんが出場する最終種目の200mを観ます!と笑顔。そして「歴史ある大会に、障害者の種目を入れて貰えるのが本当に有り難いです」と話す山本さん。それは観客の多さだけではなく、桐生さんなど一流のアスリートに触れて色々と学べるからだそうです。こんな貪欲さが山本さんを成長させるのでしょう。富士山も応援しているようにみえました。
(共同通信/2018年5月7日配信)
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