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おしゃべり散歩道2018

ハーフの女王を目指す

 明治維新から150年の今年、山口市の湯田温泉は観光客で賑わっていました。2月13日、維新みらいふスタジアム発着で全日本実業団ハーフマラソンが開催され、私は解説のため選手村のホテルに宿泊。初ハーフに挑戦する、堀優花さん(21歳・パナソニック)を入念に取材しました。何故なら彼女は昨年の日本選手権で1万mを31分台で走り、全日本実業団女子駅伝(クイーンズ駅伝)では、エースが集う3区で区間賞を獲得。将来マラソンで成功しそうな雰囲気を漂わせているからです。
 また「私、鯖が大好きなんです。いつも“ごちそうサバ”です」と明るい笑顔で、トークも面白くてチャーミング。大会前日の朝、堀さんはバイキング形式の朝食会場で、鯖のみりん干しを三枚ペロリとたいらげ、ご飯も大盛。「山口だからフグも食べなきゃ」と、また取りに行きました。レース当時の朝もやはり鯖のみりん干しを三枚ペロリ。「彼女は魚が好きだから、きっと体の中にEPAがたくさんあるはず」と安養寺俊隆監督。EPAは血液の流れをスムーズにし、長距離選手に有利です。
 そしてレースは、パウリン・カムルさん(ルートインホテルズ)がスタート早々に抜け出し、独走態勢に。堀さんは自分のペースを守り、2番手を単独走。雪が舞い、時折強風も吹きつける中、1時間11分05秒の好タイムの2位でゴールしました。本人はタイムに納得していないようでしたが、「今後は野口みずきさんのようにハーフの女王を目指し、東京五輪は1万mで。その次のパリ五輪はマラソンで狙いますよ」と安養寺監督は長い目で育てたいという思いを語ってくれました。自分の維新を起こした堀さん、本当に素晴らしかったです。

(共同通信/2018年2月19日配信)

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