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おしゃべり散歩道2017

スーパースター、ボルト

 ロンドン世界陸上選手権が行われているのはロンドンオリンピックと同じスタジアム。5年ぶりに訪れましたが、少しカタチが変わっていました。以前は三角形の照明設備がスタジアムの上に並び、王冠のように見えましたが、その照明は屋根の下に。屋根も低くなっていて、観客席は8万席から6万席に減りました。ロンドン在住の通訳の方の話によると「サッカー・プレミアリーグのウエストハムの本拠地になっており、普段は陸上のトラックに緑色のカバーをして、観客席もフィールドの近くまで作られるんですよ」と。
 大会は序盤に男子100mが行われ、6万席のスタジアムは連日超満員。もちろん、引退を発表しているウサイン・ボルトさん(ジャマイカ)が有終の美を飾る瞬間を観にきています。しかし、優勝したのはジャスティン・ガトリンさん(米国)でした。スタート前に紹介された時、観客席からは地鳴りのようなブーイング。2回のドーピング違反を英国の陸上ファンは許すことが出来ないのでしょう。そんな中で委縮せずに優勝したガトリンさんの精神力はすごいです。ゴール後もブーイングを浴びせられ、彼はウィニングランをほとんど行いませんでした。
 そして、スタジアムを1周したのは3位に終わったボルトさん。満員の観客席に向かって何度もお辞儀をし、長年の声援に感謝の気持ちを表しました。最後はゴールラインにひざまずき、キスを。そして立ち上がると、天に弓を引くようなお得意のポーズ。スタジアムは稲妻のような歓声に包まれました。目の肥えた観客の厳しさや優しさを肌で感じながら、3年後、新国立競技場も観客席が満員になって欲しいと思いました。

(共同通信/2017年8月7日配信)

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