コツコツ練習 努力開花
母の日に開催された第27回仙台国際ハーフマラソンは、小雨の中、男子はJFEスチールのチャールズ・ディランゴさんが優勝。女子は第一生命グループの田中華絵さん(27歳)がゴールテープを切りました。田中さんは「仙台は大学時代(立命館)、実業団でも全日本の舞台なので馴染み深く、勝てて嬉しいです」と。大きな月桂冠が良く似合っていました。春は新緑、秋は紅葉が美しい杜の都は、本当に女性の舞台に相応しいと思います。
それにしても、選手がポンと成長を見せる時は一つのレースがきっかけになることがよくあります。田中さんは今年1月に大阪国際女子マラソンで初マラソンに挑戦。2時間26分19秒で3位に入り、手ごたえをつかみました。それから3月の徳之島合宿、4月の九重合宿では月間1000kmを走り込んだのです。それまでは雰囲気には風格はあるのに、どこか本番に弱いところが。監督の山下佐知子さんは、「心は乙女なところがあるからね」と微笑んで話していましたが、今回は練習からくる自信があったのでしょう。前日の朝練習の時から他を寄せ付けないオーラが。そして、レースは最初から先頭を走り、1km約3分22秒を刻み続け、一度も先頭を譲らない横綱相撲で勝利したのです。
「3年後の東京五輪へ、丁度よく成長している」と、山下さんも嬉しそう。ナノブロックという小さな部品を組み上げてモノを作ることが趣味の田中さん。コツコツと練習も地道に積み上げ遅咲きの花を咲かせました。その日、北九州市に住むお母さん、富美子さんに電話を入れると、「いつもは怪我していない?と心配する母が、喜んでくれました」と田中さん。最高の贈り物になりましたね。
(共同通信/2017年5月15日配信)
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