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おしゃべり散歩道2017

福島で五輪選考大会を

 日本のお家芸と言われてきたマラソン。注目度も高く、過去には五輪や世界選手権の代表選手選考で度々もめてきました。しかし先日、日本陸上競技連盟が2020年の東京五輪へ向けて、新たな選考方法を検討していることが報じられました。先ずは2017年、2018年の2年間の国内レース(男子は福岡、東京、びわ湖、別府大分、北海道。女子は大阪、名古屋、さいたま、北海道)で一定の順位とタイムをクリアした選手を選びます。その選手が2019年秋以降に開催予定の選考大会で「一発勝負」をし、男女各上位2名が代表に決定。残り各1名は、海外大会も含めて世界に通用するタイムで走った選手を選ぶというものです。正式な発表前で詳細な基準タイムなどは分かりませんが、全く新しい選考方法になりそうです。
 この案では、一発選考の2名がスッキリ選ばれる点、代表選考で3年間盛り上がれる点で、メリットは大きいと思います。しかし、問題も。これまで長年にわたりマラソンを支えてきた国内の大会が、決勝ではなく準決勝になってしまうのです。協賛企業があっての大会、テレビ中継なので、大会の存続のためにも格別の配慮が必要になるでしょう。
 せっかくなら、選考大会を福島県で開催するというのはどうでしょう。本番の東京でなくても、コースの高低差や、予想される気象条件に近ければいいと思います。福島は1964年の東京五輪男子マラソンで銅メダルに輝いた円谷幸吉さんの故郷。五輪マラソンに命を燃やした先輩に敬意を表することができます。そして何より、東京五輪を招致する際、「復興五輪」とアピールしたことを忘れないためにも最適な場所ではないでしょうか。

(共同通信/2017年4月3日配信)

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