新田さん 自ら追い込む
関東地方で土筆が顔を出し始めた3月18日、札幌市は雪景色。民家の屋根の上は白い木綿の布団が乗っているようでした。18日から22日まで西岡バイアスロン競技場で開催されたIPC(国際パラリンピック委員会)ノルディックスキーワールドカップ(第4戦)札幌大会を取材に。日本のエース新田佳浩さんは2月の世界選手権で銅メダル、一週前のワールドカップ第3戦(韓国・ピョンチャン)で金メダルを獲得しています。ソチパラリンピック以来、3年振りの再会が楽しみでした。
競技場に着くと、競技前の新田さんを遠くから見守りながら、妻の知紗子さんと息子のダイちゃん、ケンちゃん、新田さんのお父さんとお話を。家族の仲が良く、殆どの大会を応援に行くそうです。コースの周りに旗を持つ沢山の中学校の姿が。「市立札幌開成中学の生徒たちが来てくれたんですね」と奥さまは嬉しそう。新田さんは大会前に開成中に行き、競技についてのお話と実技の教室を開いたそうです。
この日のレースは得意なクラシカルではなくフリー。7位に終わりましたが、レース後、新田さんにピョンチャンで金メダルをとれた理由を伺うと、「6日間、国立スポーツ科学センター(JISS)で追い込んだのが良かったと思います」と。JISSでは、自転車で筋肉と心肺機能を高める練習を行ったそうです。30秒×10本のインターバル練習。間のリカバリーは2分。「これがキツくて、キツくて。江東区の実家から電車で通いましたが、毎朝、行きたくなーいと思いました」と。色々な運動で筋肉や心肺機能を高めるクロストレーニングの成果のようです。「でもクロスはカントリーだけで十分」と新田さんは笑いました。
(共同通信/2017年3月27日配信)
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