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おしゃべり散歩道2017

安田監督「劉邦に学ぶ」

 昨年12月の全国高校女子駅伝では大阪薫英女学院高校が優勝しました。それから約1ヶ月後の1月22日、全国大会の1位から4位までが北九州市に集まり、実業団や大学の選手に混じって選抜女子駅伝北九州大会が開催されたのです。その前日の懇親会で大阪薫英の安田功監督とご一緒する機会に恵まれました。紳士的な雰囲気の安田さんは、「私は高校、大学と400mを専門にやっていたのですよ。増田さんと比べるのも恥ずかしいレベルでしたけどね」と笑いました。私が指導で大切にされていることを伺うと、「卒業してからグングン活躍できる選手を多く育てたい」と。言うまでもなく、卒業生の中には、ダイハツで活躍している松田瑞生さんや立命館大学の大森菜月さん等たくさんいます。
 高校の教員になる前は、23年間、中学校で社会科の先生をしていたそうです。日本史や現代社会を教えていたことから、「歴史上の人物を学ぶ」ことを指導の中に盛り込んでいます。ご自身は「項羽と劉邦」が好きで、「劉邦から学んでいます」と。劉邦は出来ないことを認める勇気を持ち、「後は任せるぞ!」と家来に託しました。安田さんも選手に任せる気持ちを大切に接していたら、選手から色んな意見がでるようになり、自分たちで考えて練習するようになったと言います。そして今回のオーダーも選手たち自らが考えて決めたのです。
 小倉城を背にスタートした大会は、一般の部はユニバーサルエンターテインメントが優勝。そして高校の部は大阪薫英が圧勝しました。6区間のうち3人が区間賞を獲得し、他の3人も全員が区間3位以内と安定した走り。高校日本一のチームは教育の場としても輝いています。

(共同通信/2017年1月23日配信)

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